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日本でも増加傾向にある「心の病気PTSD」はDNAにも傷跡を残す?

2015/11/26

PTSDをご存知でしょうか。厚生労働省のHPによれば、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)とは「強烈なショック体験、強い精神的ストレスが心のダメージとなり、時間が経ってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるもの」と定義しています。PTSDの主な原因は、震災などの自然災害や火事、事故、暴力や犯罪被害などがあります。例えば、今年でちょうど20年たった「地下鉄サリン事件」も、被害者及び家族にアンケートを実施した結果、被害者の3割程度がいまだにPTSDの症状が続いているようです。 PTSDは、突然怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないなどの症状が一般的です。辛い経験により、不眠や食欲不振になることは誰しもありますが、それが何カ月も続く場合はPTSDの可能性があります。ストレスとなる出来事を経験してから数週間後、場合によっては数年後に症状が出ることもあるようです。

DNAにも影響を与える? 

米国のサウスカロライナ大学医学部の研究チームが発表した論文によると、PTSD患者から採取した白血球細胞のDNAの一部はメチル化の量が多いことが判明しました。 以前からPTSDは免疫機能の乱れや過剰炎症に関連することが分かっていましたが、今回の研究では、PTSD患者のDNAでは免疫反応を促進するインターフェロンやIL-12などの成分を産生する遺伝子の制御領域にメチル化が起きていることが新たに判明したようです。

メチル化とは?

メチル化はDNAの分子にメチル基が結合することで、その遺伝子の発現パターンが変化してしまいます。メチル化は歳を取ると誰にでも見られる現象ですが、そのスピードは人によって異なり、環境の影響もあるようです。一卵性双生児は全く同じDNA配列であり、生まれた時にはほぼ同じメチル化を示していますが、年を重ねるにつれて食事や住環境などの環境要因によって差異が生まれます。ある報告では、双子の片一方だけが食生活の乱れなどによりメチル化が進み、最終的にがんになってしまったというケースもあるようです。

つまり、PTSD患者は単純に感情の制御ができないという訳では無く、強い精神的ストレスがDNAにも影響を与えているということです。今回の研究発表がPTSDの治療に役立つことを期待したいですね。

参考文献
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26589234
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_ptsd.html

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