Cover james s flamingo mating ritual
写真は記事のイメージで本文とは直接関係ありません。Credit to Pedros Szekely, クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般
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PTBP1タンパク質よ、ありがとう!お陰様で人類は鳥より賢い存在になりました。

2015/08/26

Genoまとめ!

  • タンパク質が作られる、ある過程で動物の多様性が生まれた可能性
  • その過程は選択的スプライシングと呼ばれ、脳の大きさや形態的構造に影響を与える
  • 哺乳類には選択的スプライシングの制限を弱めるたんぱく質が存在する

脳のサイズやその複雑さは動物により異なります。でも、何億年も前に原生物という共通の先祖から派生したはずなのに、何がこの違いを生み、人間は高い知能を得ることが出来たのでしょう?これは科学者たちの間で長く議論されているテーマです。

タンパク質が作られる「ある過程」にカギがあるらしい

人間と鳥、カエルが等の遺伝子数は大きく変わらないのにもかかわらず、それぞれの特徴を持ち進化できたカギは、選択的スプライシング(AS)という過程にあるようです。DNAは生命を維持するために必要なタンパク質を合成します。DNAからRNAになり、RNAからタンパク質が合成されます。RNAはDNAの配列を一旦そのまま反映し、その後、一部の配列を消去し、熟成します。この熟成現象をスプライシングと呼びます。基本的に、ほとんどすべての細胞で同じようにスプライシングが起こりますが、たまに違う現象が起こる場合があります。それが「選択的スプライシング」と呼ばれ、普通とは違う形のRNAができるのです。

1つの遺伝子で2つ以上のタンパク質を作ることができる?

選択的スプライシングは決して突然変異のように偶然に起きた現象ではありません。きちんと制御された細胞のシステムなのです。選択的スプライシングは、合成されるタンパク質の構造に変化を起こします。例えば1つの遺伝子から2つ(以上)のタンパク質が作ることができ、限られた遺伝子で普段の量より多くのタンパク質の生産を可能にします。この現象がよくみられるのが脳内で、PTBP1というタンパク質が選択的スプライシングを制御していることが発見されました。また、この遺伝子自身が選択的スプライシングを受けていると発見されました。PTBP1タンパク質には短いバージョンと長いバージョンの2つがあり、一方のみが我々に影響を与えると言われています。哺乳類に特異的に見られる短い方は制御力が弱く、他遺伝子の選択的スプライシングが起きやすくなっています。これにより胚芽のニューロンに影響を与え、脳の大きさや形態的構造に差ができた可能性があると報告されています。 鳥の細胞にこの短い方のPTBP1タンパク質の生産を人工的に誘導したら、哺乳類に起きる選択的スプライシングが目撃されました。人間は鳥より賢いかという哲学的な疑問を別として、鳥と人間の違いがタンパク質1つにあるなんて、生命の不思議を感じます。

参考文献
http://www.sciencemag.org/content/349/6250/868
http://www.scienceworldreport.com/articles/29212/20150824/why-humans-smarter-chickens-brain-evolution.htm

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