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写真は記事のイメージで本文とは直接関係ありません。Credit to Simon Powell, クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般
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先妊娠、後結婚?加齢出産に危険が伴う理由

2015/07/18

人間は唯一年中繁殖期の動物です。いや、繁殖期がないのかもしれないですね。基準はそれぞれですが、繁殖期でもないのに年中交尾をするのは地球上に人間しかいません。なぜ、年中交尾ができるのにも関わらず、出産年齢は高まったのでしょうか?

様々な理由がありますが、子供を育てるコストも高いですし、女性の社会的進出が増えた上、出産より仕事を重視する女性が多くなったからかもしれません。内閣府が発表した、平成25年度『少子化社会対策白書 (旧少子化社会白書)について』によると、日本の平均出産年齢は2011年時点で第1子が30.1歳でとうとう30歳を超えました。現在はより高くなったと推測できます。しかし、人間の体は社会構造に合わせて高齢出産にふさわしい体には進化してくれませんでした。

なぜ、高齢になると出産が難しくなる?

寿命100歳時代。まだ人生3分の1も生きてないのに35歳が出産には高齢になるのでしょう?(現在、日本での高齢出産は35歳以上と定義されています。)この悲しい事実は、加齢による卵子の染色体数異常で起こります。なぜ染色体数に異常ができるのかは、明らかになっていませんでしたが、日本人が牽引する研究でその原因を発見したという報告です。

染色体の種類が問題

染色体とは、生命の設計図である遺伝子のいくつかの巻で分かれている状態であることを指します。人間の場合、この巻物が23巻2セット、合計46巻に分かれているのです。各親から染色体23巻を1セットずつ頂き、一人の人間が誕生します。ですが、加齢になると染色体の数に誤りを持つ卵子が作られるのです。 誤りを持つ卵子は、たとえ受精したとしてもほとんどが出産まで至りません。至ったとしても染色体数異常による先天性疾患を引き起こします。高齢妊娠が流産胚やダウン症などの危険が伴う主な原因はここにあります。

タイミングミスが問題だった

マウスの実験でその理由が明らかになりました。老化させたマウスの卵母細胞を回収、細胞内の染色体と動原体と言うものに光るタンパク質を使って標識をしました。親が子供に染色体を渡すのには決まったタイミングがあります。両方の親の遺伝情報をバランスよく伝わるには、子供に染色体を分配して渡す前に、各染色体が混ざって遺伝情報を交換する時間があります。通常はそれが終わった後に分配されるのですが、それより早いタイミングで行われると、異常な染色体数を持つ卵子が作られるのです。

早く結婚する方がいいか、ゆっくりする方がいいか。どっちがいいかは意見が分かれますが、生物的な視点で考えると(正確な染色体と健康な遺伝子を渡すため)結婚そのものより急がなきゃいけないのは妊娠かもしれません。

参考文献

Yogo Sakakibara, Shu Hashimoto, Yoshiharu Nakaoka, Anna Kouznetsova, Christer Höög, Tomoya S. Kitajima, "Bivalent separation into univalents precedes age-related meiosis I errors in oocytes", Nature Communications, doi:
10.1038/ncomms8550

http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2013/25pdfhonpen/25honpen.html

提供元: Geno(ジーノ)|遺伝子の?を!に変える

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