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最先端の治療法とは?動脈硬化の新たな研究に注目!

2016/12/16

イタリアのミラノをご存知ですか?ミラノはイタリアの首都であるローマに次ぐ第2の都市です。イタリアの北部においてはビジネスの中心地である、とても美しい都市であり観光地としても有名です。
ファッションの都としても有名なミラノですが、その名が意外なところに使われた事例があります。なんと、遺伝子名として使用されているのです。

動脈硬化抵抗性遺伝子の「ミラノ」型 

 1980年、Franceschini (1)ら研究者によってひとつの研究報告がされました。イタリアのある家族~父親49歳、息子19歳、そして13歳と12歳の娘、そのうち12歳の娘をのぞく3人は血液中の中性脂肪が非常に高く、かつHDLコレステロール(善玉コレステロール)が極めて少ないにもかかわらず、動脈硬化や動脈硬化性疾患にかかっていなかったのです。そこで3人のHDLコレステロールを調べてみると、HDLコレステロールを構成しているApoA-1というたんぱく質が少なく、さらに通常のApoA-1とは性質が異なることが判明。彼らは発見した場所であるミラノにちなんで、このたんぱく質を「ApoA-1(ミラノ)」と名付けました。
 同じく1980年、Weisgraber (2)らはApoA-1(ミラノ)について遺伝子レベルの解析を実施。ApoA-1たんぱく質の173番目のアミノ酸はアルギニンですが、ApoA-1遺伝子が一カ所変異することで、ApoA-1(ミラノ) たんぱく質では173番目のアミノ酸がシステインに変化していることを突き止めました。

もちろん、動脈硬化の治療にもつながる 

 ApoA-1(ミラノ)は中性脂肪とHDLコレステロールが異常値にもかかわらず、コレステロールによる病気が発症していないことに着目した研究者は、治療等に用いられないか研究を開始。直近ではWang (3)らの研究で、ApoA-1とApoEを欠損したマウスにApoA-1(ミラノ)を導入すると動脈硬化病変が小さくなり、症状が大きく改善されるという結果が得られました。動脈硬化の治療として、大きな可能性が示された研究です。
 近年、iPS細胞の登場や遺伝子操作技術の進歩は目覚ましいものがあります。突然死につながる心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こす原因のひとつといわれる動脈硬化ですが、今後、治療して完治できるというような日がくるかもしれません。それは、すばらしいことです!
  でも今は動脈硬化にならないよう食事や生活習慣に気をつけて、何よりもまず“予防”することが大切ですね。

参考文献
(1)Franceschini et al. A-I (Milano) apoprotein:
decreased high density lipoprotein cholesterol levels with significant lipoprotein modifications and without clinical atherosclerosis in an Italian family. J. Clin. Invest. 66: 892-900, 1980.
(2)Weisgraber et al. Apolipoprotein A-I (Milano): detection of normal A-I in affected subjects and evidence for a cysteine for arginine substitution in the variant A-I. J. Biol. Chem. 258: 2508-2513, 1983.
(3)Wang et al. Comparative Effects of Diet-Induced Lipid Lowering Versus Lipid Lowering Along With ApoA-I Milano Gene Therapy on Regression of Atherosclerosis. J Cardiovasc Pharmacol Ther. 2016 May;21(3):320-8.

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