ダニエルキースが書いた名作の1つ「アルジャーノンに花束を」という小説をご存知ですか?
実験により、主人公よりネズミのほうが高い知能を持った?
主人公チャーリーは、他人を疑うことを知らない優しい青年ですが、IQが幼稚園児ほどしかありませんでした。ある時、動物実験により、ハツカネズミのアルジャーノンが、脳手術によるIQの向上に成功し、チャーリーよりも高い頭脳を持ちます。同じ手術を受けるように勧められたチャーリーは、この手術の人間に対する臨床試験の被験者第1号となります。手術は成功し、チャーリーは超知能を持つ天才となりますが、その一方で感情だけが未発達の幼児のままであったことから、周囲との人間関係が形成できずに次第に孤独となっていきます。そんな時に、ハツカネズミのアルジャーノンに異変が現れます。チャーリーは自らの知能を使って調査をした結果、手術にある重大な欠陥があったことに気づいてしまいます・・・
これは、フィクションですが、アメリカのデューク大学の発表によると、人間のDNAをマウスに注入した結果、マウスの脳が肥大化したことが判明したようです。
マウスの脳が肥大?
研究チームは、「HARE5」と呼ばれる遺伝子配列に着目しました。このHARE5は、人間の新皮質の初期発生に影響を及ぼす領域として考えられており、人間とチンパンジーが共通して持っていますが、一部の塩基配列に違いがみられることが分かっています。この人間とチンパンジーのHARE5を授精後まもないマウスにそれぞれ注入しました。その結果、人間のHARE5を持ったマウスは、チンパンジーのHARE5持ったマウスよりも脳が12%大きくなったようです。もちろん、容積が大きくなったからといって、高い知能を持つということにはなりませんが、1959年にこの小説を発表したダニエルキースは、私たちの未来を予想していたのでしょうか。
この小説を読み終えて感じることは、私たち人間の学習能力には無限の力があり、遺伝子だけに支配されることはないということです。気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね。
参考文献
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=HARE5
提供元: Geno(ジーノ)|遺伝子の?を!に変える